防犯カメラの防水性能と「IP等級」
IP(International Protection)は、防犯カメラを含む電気機器が雨やほこりにどれだけ耐えられるかを示す国際規格です。この性能は「IP等級」として記載され、「IP66」や「IP68」などの形式で防塵性(0~6)と防水性(0~8)が2桁の数字で表されます。数字が高いほど性能が良く、カメラ選びの大切な指標です。近年、線状降水帯や低気圧の影響で大雨災害が増え、屋外設置の防犯カメラには過酷な環境下でも耐えうる防水性能が求められています。2024年には、都心で猛烈な雨が観測され、地下鉄の駅構内に雨水が流れ込む事態も発生しました。こうした状況下で防犯カメラが安定して稼働するためには、防水性能を正しく理解し、適切な製品を選ぶことが重要です。本記事では防水性能を測る「IP等級」を中心に、その基準や選定ポイントを解説します。
– 防塵性についての数値(等級)
- 0級:特に保護がされていない
- 1級:直径50mm以上の固形物が中に入らない(握りこぶし程度を想定)
- 2級:直径12.5mm以上の固形物が中に入らない(指程度を想定)
- 3級:直径2.5mm以上のワイヤーや固形物が中に入らない
- 4級:直径1mm以上のワイヤーや固形物が中に入らない
- 5級:有害な影響が発生するほどの粉塵が中に入らない(防塵形)
- 6級:粉塵が中に入らない(耐塵形)
※6級以外は何らかの固形物が内部に侵入する可能性があります。
– 防水性についての数値(等級)
- 0級:特に保護がされていない
- 1級:鉛直から落ちてくる水滴による有害な影響がない(防滴Ⅰ形)
- 2級:鉛直から15度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない(防滴Ⅱ形)
- 3級:鉛直から60度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない(防雨形)
- 4級:あらゆる方向からの飛沫による有害な影響がない(防沫形)
- 5級:あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない(防噴流形)
- 6級:あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響がない(耐水形)
- 7級:一時的に一定水圧の条件に水没しても内部に浸水することがない(防浸形)
- 8級:継続的に水没しても内部に浸水することがない(水中形)
※0級から6級までは内部浸水が発生する可能性がありますが、必ず浸水する訳ではありません。